IT の統制活動のうち、 IT に係る全般統制に該当するものはどれか。

  1. 出力情報の受渡し、配布を管理する受渡簿の作成
  2. データを検証するコントロールトータルの組込み
  3. 入力画面における商品コードの実在性チェック
  4. プログラム作成における上位者によるロジックのレビュー

出典:令和5年度 システム監査技術者試験 午前2 問10




正解:エ
1. 問題のポイント
本問は、IT の統制活動における「IT に係る全般統制(ITGC: IT General Controls)」 に該当するものを選ぶ問題です。
IT の統制には 「IT に係る全般統制(ITGC)」 と 「IT に係る業務処理統制(ITAC: IT Application Controls)」 の2種類があります。

IT に係る全般統制(ITGC): IT 環境全体の統制(システム開発、変更管理、アクセス管理など)
IT に係る業務処理統制(ITAC): 業務データの入力、処理、出力に関する統制
この問題では ITGC(システム開発や管理に関する統制) に該当するものを選ぶことがポイントです。

2. 各選択肢の検討
ア. 出力情報の受渡し、配布を管理する受渡簿の作成
→ ❌ 誤り 出力情報の管理は業務処理の統制であり、ITGC ではなく ITAC(業務処理統制) に該当する。

イ. データを検証するコントロールトータルの組込み
→ ❌ 誤り。 コントロールトータル(合計値の整合性確認)は、データ処理の正確性を確保するための業務処理統制(ITAC)であり、全般統制(ITGC)ではない。

ウ. 入力画面における商品コードの実在性チェック
→ ❌ 誤り。 入力データの妥当性を検証する機能は業務処理統制(ITAC)に該当する。

エ. プログラム作成における上位者によるロジックのレビュー
→ ✅ 正しい。 プログラム作成に関する統制はシステム開発や変更管理の一環であり、IT に係る全般統制(ITGC)に該当する。

3. まとめ
本問では、「IT に係る全般統制(ITGC)」に該当するものを選ぶ必要があるため、
正解は「エ(プログラム作成における上位者によるロジックのレビュー)」 となる。
その他の選択肢(ア・イ・ウ)は、業務処理統制(ITAC)に分類されるため不適切である。