フェアユースの説明はどれか。

  1. 国及び地方公共団体、並びにこれに準ずる公的機関は、公共の福祉を目的として他者の著作物を使用する場合、著作権者に使用料を支払う必要がないという考え方
  2. 著作権者は、著作権使用料の徴収を第三者に委託することが認められており、委託を受けた著作権管理団体はその徴収を公平に行わなければならないという考え方
  3. 著作物の利用に当たっては、その内容や題号を公正に取り扱うため、著作者の意に反し、利用者が勝手に変更、切除その他の改変を行ってはならないという考え方
  4. 批評、解説、ニュース報道、教授、研究、調査などといった公正な目的のためであれば、一定の範囲での著作物の利用は、著作権の侵害に当たらないという考え方

出典:令和5年度 システム監査技術者試験 午前2 問13




正解:エ
1. 問題のポイント
本問は、フェアユース(Fair Use) の考え方についての理解を問う問題です。

フェアユースとは、著作権法において、特定の目的のためであれば、著作権者の許可なしに著作物を利用できる という概念です。
主に 批評、解説、ニュース報道、教育、研究 などの目的での利用が該当します。

これはアメリカの著作権法に由来する考え方であり、日本の著作権法では、これに類似する規定が個別に設けられています(例:引用、私的使用、教育機関での使用など)。


2. 各選択肢の検討
ア:「公的機関は著作物を無料で使用できる」 → ❌ 誤り
公共の福祉を目的とした利用であっても、著作権法の規定に基づき、無償で利用できるかどうかはケースバイケース。
フェアユースの考え方とは異なる。

イ:「著作権管理団体の公平な徴収」 → ❌ 誤り
これは著作権の管理団体(JASRACなど) に関する考え方であり、フェアユースとは関係がない。

ウ:「著作物の改変禁止の考え方」 → ❌ 誤り
これは著作者人格権(同一性保持権) に関する考え方であり、フェアユースとは無関係。

エ:「批評・解説・ニュース報道などでの公正な利用」 → ✅ 正しい
フェアユースの本質を説明している選択肢 であり、正解。


3. まとめ
フェアユースとは、批評・解説・ニュース報道・教育・研究などの公正な目的であれば、一定の範囲内で著作権者の許可なく著作物を利用できる という考え方である。
したがって、正解は「エ」 となる。