“特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律”における“特定デジタルプラットフォーム提供者”に関する規定として、適切なものはどれか。

  1. 売上額が一定の基準を下回る事業者は、経済産業大臣から “特定デジタルプラットフォーム提供者”として認定されることによって、保護を受けることができる。
  2. “特定デジタルプラットフォーム提供者”は、サービスの透明性・公正性を確保するため、独立性が認められており、国などから規制を受けることはない。
  3. “特定デジタルプラットフォーム提供者”は、商品等提供利用者に対して、デジタルプラットフォームの提供を拒絶する場合における判断の基準を開示する必要はない。
  4. “特定デジタルプラットフォーム提供者”は、毎年度、事業概要や苦情処理などの所定の事項を記載した報告書を経済産業大臣に提出しなければならない。

出典:令和5年度 システム監査技術者試験 午前2 問14




正解:エ
1. 問題のポイント
本問は、「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」(通称「デジタルプラットフォーム透明化法」)における**「特定デジタルプラットフォーム提供者」**に関する規定についての理解を問うものです。

この法律は、大規模なデジタルプラットフォーム提供者(例:ECモール、アプリストアなど)が、公正かつ透明な取引環境を確保することを目的 としています。
特定デジタルプラットフォーム提供者には、取引の透明性の向上や報告義務 などが課されます。


2. 各選択肢の検討
ア:「売上額が一定基準を下回る事業者が認定され、保護を受けられる」 → ❌ 誤り
特定デジタルプラットフォーム提供者 は、大規模なプラットフォーム事業者を対象とするものであり、売上が基準を下回る事業者が対象となるわけではない。
この法律は、利用者を保護するためにプラットフォーム提供者を規制するものであり、プラットフォーム提供者自身が「保護を受ける」制度ではない。

イ:「独立性が認められ、国の規制を受けない」 → ❌ 誤り
特定デジタルプラットフォーム提供者は、経済産業大臣の規制を受ける立場 であり、透明性・公正性を確保する義務がある。
国の監督なしに独立性が認められるわけではない。

ウ:「サービス提供拒否の判断基準を開示する必要はない」 → ❌ 誤り
特定デジタルプラットフォーム提供者は、取引の透明性を確保する義務があり、提供拒否の判断基準も開示する必要がある。
例えば、ECモールやアプリストアなどが販売者の出店を拒否する場合、その基準を明確にすることが求められる。

エ:「毎年度、報告書を経済産業大臣に提出する義務がある」 → ✅ 正しい
特定デジタルプラットフォーム提供者には、事業概要や苦情処理などを記載した報告書を毎年度、経済産業大臣に提出する義務がある。
これは、取引の透明性を確保し、利用者保護を強化するための措置の一環である。


3. まとめ
「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」は、大規模なデジタルプラットフォーム提供者に対し、透明性や公正性の確保を求めるもの であり、報告義務などの規制が課されている。
したがって、正解は「エ」 となる。