内部監査部門に所属するシステム監査人が実施する監査において、監査調書に関する記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. システム監査人が、監査対象の詳細を記録として残しておくために、予備調査時に収集した資料だけをファイリングしたものである。
  2. システム監査人が、監査の結論に至った過程を明らかにするために、予備調査時に立てた仮説を文書化したものである。
  3. システム監査人が行ったインタビューの記録については、口頭で入手した証拠であるので、監査調書として保存しなくてもよい。
  4. システム監査人は、作成した監査調書を所属する組織の文書管理規程に従って体系的に整理し、保管するとともに、権限のある者だけが利用できるようにする。

出典:令和5年度 システム監査技術者試験 午前2 問6




正解:エ
【AIによる解説】
システム監査における監査調書の解説
監査調書とは?
監査調書は、システム監査人が監査手続を実施する過程で作成する記録で、以下の目的があります。

監査の過程や結果を客観的に証明するための根拠
監査の結論に至った過程を明確に示す
後日の照会や再監査に備えて、監査の手続や証拠を保管するための記録
監査調書には、インタビュー記録、証拠資料、監査人の所見、監査証拠の分析結果などが含まれます。

各選択肢の検討
1. 「システム監査人が、監査対象の詳細を記録として残しておくために、予備調査時に収集した資料だけをファイリングしたものである。」 → 誤り


監査調書は、監査の全過程を網羅的に記録するものです。
予備調査の資料だけでは監査手続の全過程が証明できないため、不十分です。

2. 「システム監査人が、監査の結論に至った過程を明らかにするために、予備調査時に立てた仮説を文書化したものである。」 → 誤り


仮説を記録することは重要ですが、監査調書は仮説だけでなく、証拠や分析結果などの監査手続全体を記録するものです。
仮説の文書化だけでは監査調書の範囲が限定されるため、不適切です。

3. 「システム監査人が行ったインタビューの記録については、口頭で入手した証拠であるので、監査調書として保存しなくてもよい。」 → 誤り


インタビューの記録も重要な監査証拠の一つです。
証拠の形式(口頭や文書など)に関係なく、全ての証拠を監査調書に保存する必要があります。

4. 「システム監査人は、作成した監査調書を所属する組織の文書管理規程に従って体系的に整理し、保管するとともに、権限のある者だけが利用できるようにする。」 → 正しい


システム監査基準では、監査調書の保管や管理について、組織の文書管理規程に従って整理・保管することが求められています。
また、監査調書は機密情報を含むため、権限のある者のみが利用できるように管理することが適切です。


結論
✅ 正解:「システム監査人は、作成した監査調書を所属する組織の文書管理規程に従って体系的に整理し、保管するとともに、権限のある者だけが利用できるようにする。」

ポイントのまとめ
監査調書は監査の過程や証拠を記録する重要な資料。
インタビュー記録や口頭証拠も含めて、すべての証拠を監査調書に保存する必要がある。
作成した監査調書は、文書管理規程に従って保管し、適切なアクセス制御を行うことが重要。