債権管理システムから出力された債権残高の集計処理結果を用いて、経理部門が事後的に実施できる、債権残高に関する異常の有無の検証に有効な方法はどれか。
- 債権データ生成時における、得意先コードを用いた得意先マスターと債権データとの自動マッチング
- 債権データの金額項目のフォーマットチェック
- スプレッドシートを用いた売掛債権回転期間の前年同期比較チェック
- 正規の権限者による操作に限定するアクセスコントロール
出典:令和5年度 システム監査技術者試験 午前2 問9
正解:ウ
明確な出典がない問題です。
特定の企画やガイドラインに基づくものではなく、一般的な監査やITガバナンスの考えをベースに回答を絞り込みます。
「債権残高に関する異常の有無の検証に有効な方法」として、適切と思われる回答を判断します。
本問の回答は、「異常と直接に判断できる可能性のある回答」と「異常の可能性はあるが、それ単体では判断できない回答」とに分かれるため、前者の要素が強い回答を探します。
回答ア:
誤りです。債権と得意先の自動マッチングで異常を判断することはできません。
マッチングした結果、特定の得意先に債権が偏っているなどの異常性は見られる可能性がありますが、「マッチング」という紐づけ処理だけでは正解の選択肢からは一歩退いた形になります。
回答イ:
誤りです。1000円を"1000"または"1,000"などと異なるフォーマットで入力する際のチェックをしても、その数字(債権残高)の高低に対する異常を検証することができません。
回答ウ:
正しい記述です。前年比と比較し、大きな違いがみられる場合、何らかの異常性があると判断する要素になります。
※必ずしも異常があるとは言えませんが異常の可能性があると判断する材料になります。
回答エ:
誤りです。アクセス権や編集権限が適切に設定されているかという確認が、直接債券残高の異常と紐づけることはできません。