債権管理システムから出力された債権残高の集計処理結果を用いて、経理部門が事後的に実施できる、債権残高に関する異常の有無の検証に有効な方法はどれか。
- 債権データ生成時における、得意先コードを用いた得意先マスターと債権データとの自動マッチング
- 債権データの金額項目のフォーマットチェック
- スプレッドシートを用いた売掛債権回転期間の前年同期比較チェック
- 正規の権限者による操作に限定するアクセスコントロール
出典:令和5年度 システム監査技術者試験 午前2 問9
正解:ウ
1. 問題のポイント
本問は、債権管理システムの出力データを用いた事後的な異常検証の方法について問うものです。
「事後的な検証」に焦点を当て、異常の有無を判断するのに適した方法を選ぶことが重要です。
2. 各選択肢の検討
ア. 債権データ生成時における、得意先コードを用いた得意先マスターと債権データとの自動マッチング
→ ❌ 不適切。 これは債権データの「生成時」のチェックであり、事後的な検証ではない。
イ. 債権データの金額項目のフォーマットチェック
→ ❌ 不適切。 フォーマットチェックはデータ入力時の妥当性を確認するためのもので、異常検証としての効果は限定的。
ウ. スプレッドシートを用いた売掛債権回転期間の前年同期比較チェック
→ ✅ 適切。 債権残高の異常を検知するために、売掛債権回転期間を前年と比較するのは有効な方法。事後的な分析に該当する。
エ. 正規の権限者による操作に限定するアクセスコントロール
→ ❌ 不適切。 アクセスコントロールはデータの正当性を確保するための仕組みであり、事後的な異常検証とは異なる。
3. まとめ
本問では、「事後的に異常の有無を検証する」という観点から、ウ(スプレッドシートを用いた売掛債権回転期間の前年同期比較チェック) が最も適切な選択肢となる。