相変わらず人手不足の弊社、じゃあ案件をどうこなすのか?
社内ではリソースが足りないため、外部のリソースを利用することが選択肢の一つとなるわけですが、その中にIT派遣があります。
主にプログラマーを招き、開発の一端を担ってもらうことになるのですが、一緒に仕事をしていく中でいろいろと思うことがありました。
タイトルにもある様にこの記事で言いたいことはひとつです。
新卒で派遣プログラマーはやめとけ
目次
派遣プログラマーを招くにあたって
スケジュールが調整できればいいんですが、毎回そううまくいくとは限りません。
諸々の理由で、多少悪条件でも進めなければいけないケースもあるかと思います。
スケジュールが厳しく、人手があれば対処できそうな場合に、リソースの追加を検討します。
派遣社員を必要とする場合、派遣会社とコンタクトを取り、紹介された派遣社員のスキルや、場合によっては直接面接(これはグレーだった気がする)で本人と対話することで、依頼する案件を任せられるかを判断し、問題なさそうとなった場合は来ていただくという形です。
※外部リソースは外注も視野に入りますが、今回は論点が異なるのでここでは触れません。
事前のスキルシートでおおよその経験は把握できます。
ただ書面上の記載を鵜呑みにできないというのも事実、「プログラミングについて他のメンバーにアドバイスしたりコードレビューを行っていました」という記載があっても、「どのレベルで?」という疑問が残りますし、事実かどうか確実に確認する術はありません。
上司ガチャ、配属ガチャなど運任せを意味する言葉がありますが、派遣社員を招くのも一種のガチャといっていいと思います。
事前の面接について
実際に面接することになった場合、もろもろ質疑応答をすることになるのですが、これは採用試験と似ています。
別に派遣先となる弊社に対する興味は1ミリも必要ありませんが、ビジネスマナーとスキルがどれほどのものかはそこで認識を固めていくことになります。
業界経験が短い、長いによって如実に差が出るのが面接だと思っています。
いや、単純に長短だけで分かるものではないのですが、、ただ話が合う感じが多いのはベテランの方のような気がしています。
また派遣本人とは違いますが、この面接には大抵派遣会社の営業が同行します。
この営業マンの雰囲気も注意が必要だなと感じます。
これは好みの問題かもしれませんが、
あまり派遣社員を売り込まない、または口数が極端に少ないと不穏ですね。
営業目標があると思うので売り込みたくないということはないでしょうが、あまりにも営業しないというのも気になります。
特に不安になるのが、営業マンと派遣社員とのやり取りがぎこちない時です。
派遣社員の方を”商品”というと若干語弊があるかもしれませんが、「売り込みたい商品を売り込まないのは問題があるからか?」勘ぐってしまいます。
または「商品のことをよく知らない」かですね、ただ”ぎこちない”というケースの多くは後者のような気がします。多くの派遣社員を抱えていればひとりひとりの詳細を把握できていないことは無理ないと思うので、話し出しづらいというのは大いにありそうです。
※前者の場合職務スキルシートの職務経歴から読み取れます、”職務経歴が正しければ”ですが
そう考えると派遣社員側も若手のうちは辛いだろうというのは容易に想像できます。
特に経験がほとんどない時はどのような目で派遣先の担当者に見られるのか、仕事を任せる人が欲しいのに、仕事の経験がほとんどない自分がどう見られるのかは考えただけでも恐ろしいですね。。
派遣社員に来てもらうときに考えていること
そんな面接をしつつ来てもらうかどうかを判断することになるのですが、”個人的な”考えでは下記いずれか、案件状況によってお願いを出すようにしています。
- 経験豊富で、多少問題解決を依頼できそうな人
- 最低限経験があり、スケジュールの安定化のため保険として作業してもらえそうな人
前者(経験豊富~)はそのまんまではあるのですが、例えば、
「当時の開発担当者が不在で、仕様書も不十分な案件で不具合が発生した場合、調査をお願いしたり、改修をお願いしたい」というような案件をお願いしたいケースです。
要はこちらが不完全であっても対応できそうだったり、指摘や提案をしてくれそうな人材というイメージです。
本当に社内リソースでは厳しい場合にこちらのパターンで決めます。
後者(最低限経験~)は、
「スケジュールは社内リソースで間に合うかもしれないが、保険としてお願いしたい」というケースでお願いしたいケースです。※「保険として派遣社員に来てもらいたいです!」って公然と言ったら上司にキレられそうですが。。。
このケースでは何らかの予想外が起きることでスケジュール通りの達成が困難になる要素があるときに、そのクッションとしてお願いするような形です。
WEBエンジニアで保守をやっていると、納品済み案件で問い合わせが発生することはざらです。
不具合の場合は対処に思いがけず時間がかかることもあり、そういった場合にスケジュールを圧迫してしまうかも、という考えと常に隣り合わせの職種かなと思います。
経験が短いため、満足いくスキルを備えていない可能性があるものの、多少マイナス面を負担しても構わないという気持ちです。
そのためあまり期待せず簡単な作業をやってもらいたい場合にこちらのパターンで決めます。
上記の中間をとるような考えは現状自分の中にありません。
これは案件の見通しに依存するものだと思うので、そういった方が必要な案件が今後あれば、パターンの一つに加わるかも、という感じでしょうか。
そして上記2パターンどちらであったとしても、やはり派遣先企業たる自分の意識としては”労働力が欲しい”という一点です。
ここに派遣社員の方の気持ちを考えて~というのはありません。
もちろん仕事しやすい環境を整えることはしますし、プログラマーの領分ではない仕事をお願いすることはないのですが、どの仕事をお願いするかは派遣元社員が考えますし、派遣社員がやりたい・やりたくない仕事に関わらず、やってもらう形になります。
【本題】”若手”派遣プログラマーが可哀そうと思うこと
タイトルは”新卒”と書きましたが、”若手”も含まれることなのでそのように記載します。
一言でいうと、「スキルやビジネスマナーにいついての学びが極端に少ないこと」ですね。
スキルについて
前述したとおり派遣社員に来てもらうのは”労働力が欲しい”からです。
「スキルアップして、もっと大きい仕事を任せられるようにしよう!」という気持ちは派遣先にはありません。目の前の仕事をこなしてもらえるだけで十分ですし、それを求めています。
そのため仕事中分からないことに遭遇したとき、自社社員であれば解決とスキルアップを図るため、いろいろとアプローチを行い、より成長してもらえるように努めます。
ただ派遣社員の方の場合、「ここはこうすればOK」で終わります。
何が言いたいかというと、「派遣社員のスキルアップに派遣先は興味がありません」
上記がソースコードの書き方のような技術的な不明点であった場合、「今後自分で解決できる力をつけてもらうため~」という観点がなく、こちらで対処、または指示して終わりです。
もし派遣社員の方が同じ技術的な不明点を質問してきたら、、、派遣先によってはキレる人もいると思います。
ステップアップのために派遣プログラマーになるか?
ステップアップで派遣プログラマーになるというのが、派遣プログラマーのメリットとして挙げられることがありますが、繰り返しますが「派遣社員のスキルアップに派遣先は興味がありません」。
「徐々に難易度の高い仕事を、、、」「上流工程を、、、」という風にはなりません。
年次が長くなれば難易度の高い派遣先に行くこともあるでしょうが、そればかりではありません。
上流工程を業務で行っていない派遣社員に、いきなり依頼する派遣先もありません。
何をもってステップアップ・スキルアップとみるかは、観点が色々あるかもしれませんが、少なくとも都合よくステップアップできる派遣先を選べるほど、若手派遣には選択肢がありません。経験がほとんどない以上選ぶ側は常に”派遣先”です。
派遣先やプロジェクトを選べるか?
「プログラミングをやりたい」という派遣社員がいたとして、まともなIT企業なら、「未経験プログラマーを世話するコスト」を意識します。
当たり前の仕事をやってほしいのに、その経験がない人間を雇うことはしません。
新卒で選べる仕事はありません。
数年経過した若手で多少スキルが身についていたとしたら少し話が変わるかもしれません。
弊社同様、人手不足の会社はいつだって存在します。
そこに潜り込めれば、、というのは機会として否定しません。
しかし選べるかと言われたらどうでしょうか、数年程度のプログラミング経験であれば「単純なプログラミング」であれば選べるかもしれません。あとは派遣先が選んでくれればですが。。。
ビジネスマナーについて
以前来てもらっていた派遣社員の方が漏らしていた言葉ですが、ソースコードを睨めっこしながら、
「このソースコード意味わかんねぇな・・・」と言っていました。
そのソースコードは自社社員が書いた古い案件のソースコードで、不具合の改修を依頼していました。
まずここでソースコードが不出来であること(読みにくいとして)は論点ではないので触れないですが、
それを喋ってしまうことに驚きました。
百歩譲って自社社員であれば「昔はそんなソース書く人もいたんだよー」と笑い話程度で済みますが、他社社員であれば話は別になります。
上記はただの一例ですが、派遣先の職場での立ち振る舞いようなものは、どこて身に着けているんだろう? という疑問が湧いてきました。
恐らく派遣元は研修をすると思いますが、派遣先の様子をウォッチできるものではないと思います。
となると研修が終わった後のビジネスマナー等はどこで学ぶんだろうか・・・
派遣先の人間としては、「派遣先の心証を悪くする言動である」ということを伝えた方が、この人のためになるかもと思いつつ、他社社員であり、一時的な関係にどこまで善意を施すのかというところのせめぎあいがあります。
※結果的にその労力を個人的に”かける必要がない”と判断しました
派遣社員をどれぐらい続けるつもりかはわかりませんが、10年とか続けた後、変に世間知らずになって島はないか若干怖さを感じました。
教育係というのが付きづらい業務形態なので、フォローは難しいでしょうが。。。
まとめ
なんか愚痴っぽいところも一部ありましたが、、派遣社員の方を責めたいわけではありません。
ただ新卒で派遣になると、思うようにいかないケースが多くなり、身につくものも身につかないかもしれないので気を付けてほしいということです。
実際目の当たりにしたのは経験数年の派遣社員の方でしたが、上記を感じざるを得ませんでした。
派遣でないところに就職したとして、うまくいく保証はないにしても、何の権限もなく、将来持つこともできない立場というのは、やはり後々の自分の人生をコントロールするのが難しいと思います。
派遣先の会社は選べる・コントロールできるという売れっ子の派遣社員もいるでしょうが、一時的な労働力である以上はそれを享受できる時間は長く続きませんし、そもそもそういった派遣先が派遣を求めているのかという問題もあります。
下地ができたのであれば、派遣でやっていくのでもいいのかなとは思います。色々試した結果、人間関係が面倒なので~というのは理解できます。
新社会人の数年間は伸びしろもあり学ぶことも多い時期です。
そんな時期を大切に過ごすのであれば派遣でない社員として就職し、少なからずステップアップを一緒に考えてくれそうな会社や先輩と仕事をし、その結果派遣や、転職するなどして新しい経験を積む方がよっぽど有意義な時間になるかと思います。
「新卒で派遣プログラマーはやめとけ」
と強めに書いていますが老婆心です。
プログラマーの入口としては夢がありそうな謳い文句もありますが、若手の方は一年後、何が身に付いたか振り返ってみてもらいたいし、これから派遣プログラマーになる方には、自分のキャリアを考える人は皆無であるということを認識して、考え直してもらえたらと思います。